ピアノの選び方

子どもたちが初めてピアノを習う時、どんなピアノを選べば良いでしょうか。

答えはただ一つ。アップライトピアノやグランドピアノのようなアコースティックピアノです。

なぜか。実はきちんとした理由があります。

ピアノの曲として出版されている「楽譜」は、本来グランドピアノで弾くために書かれているものであり、ピアノという楽器の扱い方を知らなければ上手く弾きこなすことはできません。だからピアノの先生方はレッスンで、楽譜の読み方はもちろん、弾力のあるピアノの弦をしっかり身体を使って響かせる奏法や、繊細な音を表現できるような弾き方を一生懸命教えます。小さい頃から長い年月をかけて、憧れのショパンやベートーヴェンを美しくしなやかに弾けるように指導するのです。

レッスンでグランドピアノを使用するピアノ教室が多いのは、発表会やコンクールを開催する音楽ホールで、大きなグランドピアノを演奏しなければならない子どもたちを、少しでも本番に近い環境で練習をさせてあげたいからです。

せっかくピアノを習うのですから、しっかり上達をして「楽しい!」を実感できるためには、練習で使う楽器は大事なアイテムなのです。

ポイントはやはり弦があるかどうか。センサーで簡単に音の出せる電子ピアノは価格も安くお手軽ですが、ピアノのようでピアノではない「似て非なるもの」。どんなに一生懸命に練習しても上達には限界があります。徐々に初めからアコースティックピアノを弾いているお子さんとの差があきらかになっていきます。

ピアノを習い始める時からアコースティックピアノがあるのがベストですが、様子を見たいなど電子ピアノを購入する場合には、目安として「楽譜を初めて見て弾く」「鍵盤の位置を覚える」導入から初級の間まで。「ダンパーペダルを踏む曲に入る」「しっかり指作りをし始める」タイミングになったらアコースティックピアノを考えましょう。

音の問題がある場合には、音の調節ができる消音ユニット付きのピアノ(サイレントピアノ)かハイブリッドピアノ(電子ピアノ)を選ぶといいでしょう。

powered by crayon(クレヨン)